Volkswagen Service® Library Ver.24
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[第1章]フォルクスワーゲンはこだわります② フォルクスワーゲンの塗装面を、ぜひじっくり見てください。そして、ほかの車と比べてみてください。いかがですか? たとえば同系色の色でも、その深みの違いが感じられるでしょう。 とくに、赤や青など、原色に近いボディカラーほど、その違いは目で見てわかるほど顕著です。ボディ表面が、とても柔らかそうな、エナメル質のような光沢と質感を放っています。塗装の専門職人の中には、このような状態を「ぬめり」と表現する人がいます。的を射た表現だと思いますが、これは、高品質な塗料を使うことはもちろん、時間をかけた塗装工程があってはじめて表面に現れる高度な塗装技術の証なのです。 フルオートメーション化されたペイント工場。ここは、最高レベルのクリーンさが保たれています。工場内に少しの埃でもあれば、それは塗装面に付着してしまいます。どんな埃も寄せ付けないブースの中で、フォルクスワーゲンのペイント作業は、驚くほど緻密に行われているのです。 防錆効果を高めるための皮膜をつくり、その上から、飛び石などで簡単にボディが傷付かないよう耐久性をもたせる層を上塗りします。その後、晴れて下地剤の登場です。この下地づくりは、ボディカラーの深みを出す重要なポイントとなるため、とても丹念な作業が施されます。 じつはこの段階で、とてもユニークな作業が行われています。その作業には、なんとダチョウの羽根が使われるのです。最終的なボディカラーを塗る直前に、ダチョウの羽根を使って表面の細かい埃を取り除くのです。静電気を発生させることなく、目に見えない細かい埃を徹底的に落とすには、ダチョウの羽根が最適な道具となっています。いくら技術が進化して、フルオートメーション化が進んでも、最も神経を使うべき部分には、人間や自然の力が必要とされるわけです。 ボディ全体に施される、総亜鉛メッキ処理から数えると、じつに6工程もの下地処理や塗装作業が行われます。この層の厚みこそが、フォルクスワーゲンの存在感を引き立たせる大きな役割を果たしているのです。しかし、完璧なボディに仕上げるには、さらに手が加えられます。 たとえば、湿気のたまりやすいフレーム内部にある空洞部分を保護するためには、溶かしたワックスが流し込まれます。塗装を、そしてボディを、あらゆる障害から守るために、高度な技術と人間の気遣いが、二重にも三重にも徹底して施されているのです。 こうして、あたかも上質なマニキュアを塗った貴婦人の爪のような、柔らかな曲線を巧みに描き出す塗装が完成するのです。もちろん、12年という長い錆穴保証が可能なことも、こういった工程から培われた自信であるといえるでしょう。 さて、もう一度、愛車のフォルクスワーゲンを眺めてみてください。その色の秘密がおわかりになった今、先ほどにも増して、しっとりとした上質な塗装であることがご確認いただけると思います。日常のお手入れを、少しくらい手を抜いたところで、この質感は色褪せることはありません。ただ、月に1度は、塗装のコンディションを保つために、ボディのお手入れをしてあげることをお勧めいたします。そうすれば、よりいっそうフォルクスワーゲンへの愛着が増して、末永いパートナーとしてお付き合いいただけることでしょう。007エナメル質のような塗装には、秘密があります

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