■ 地域により異なるガソリンのオクタン価(単位:RON)■ オクタンノッキングを防ぐためにガソリンに含まれている成分。メタン系炭化水素の一つで元素記号はC8H18。ドイツイギリススペインイタリアロシアオーストラリア中国(レギュラー)(ハイオク)(100もあり)インド100(一部)インドネシア8898フィリピン93(ごく一部)(一部)※ 右側は軽油専用の給油口 左側はAdBlue®の専用給水口(P066参照)世界のガソリン オクタン価格(実勢値)低← オクタン価 →高9198日本北米9195100ベトナム989195959795958098100(一部)トルコ9295バーレーン919598999397低← オクタン価 →高台湾929592909392959590エジプト80(一部)90ー989597100989595■ オクタン価ノッキングしにくさを数値で表したもの。中低速回転時の耐ノック性を重視したリサーチ法(RON)と、高回転時の厳しい条件で耐ノック性を測定するモーター法(MON)の2つの測定方法がある。数字が大きいほどノッキングが起こりにくい。出典:https://bestcarweb.jp/feature/43008ーゲン車を走らせ、性能を十分に発揮させるためには、日本のハイオクガソリンが必要になります。 イタリアや英国などは日本と同じ2段階です。しかしオクタン価はレギュラーが95、ハイオクが97くらいです。ちなみに、アメリカ車は、レギュラーが87、プラス89、プレミアム(ハイオク)92となっています。なんだ、アメリカのガソリンは質が悪いのか?と思う方もいるかもしれませんが、それには、裏のお話があります。 実は、オクタン価の測定方法は2種類あります。日本(JIS規格)とドイツはリサーチ法(RON:中低速回転時の耐ノック性を重視した測定方法)、アメリカ、カナダは、モーター法(MON:高回転時の厳しい条件で、耐ノック性を測定)を採用しています。ですから、アメリカのオクタン価を日本のオクタン価と比較するには、7から10を足す必要があると言われています。 日本のレギュラーガソリン(89RON)は世界的に低い数値となっていることが分かります。単にガソリンと言っても、国により仕様が違うものが製造販売されているということですね。 自動車の安全規格も世界各国で統一が進められています。きっと燃料の規格も近い将来に世界統一される日が来ることでしょう。 さらに、ハイオクとレギュラーの違いはオクタン価だけではありません。ハイオクガソリンには清浄剤が多く入っていることはご存知ですか?この清浄剤はエンジンをきれいにしたり、きれいな状態を維持することに貢献しています。エンジンをきれいにすることは、燃費の悪化を防ぎ、エンジン自体の寿命をも延ばすのです。現在ガソリンスタンドでは、オクタン価の高さだけでなく、清浄性の高さを売りにしたハイオクガソリンが売られています。そういったガソリンを選ぶようにすれば、愛車本来の性能が発揮され、環境にも優しい走りにつながります。 環境に配慮した場合、軽油を燃料とするディーゼルエンジンという選択肢もあります。クリーンディーゼルエンジンは、ガソリン車と比較して約20%程度二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、窒素酸化物(NOx)の排出量も少ないため環境負荷も小さく、燃費性能も優れています、そのためヨーロッパでの普及率は、新車の約50%と、日本に比べ非常に高いです。 また、ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べ燃費が良いと言われているのも、魅力のひとつです。一般的に、エンジンの圧縮比が高いほうが燃費が良いと言われています。圧縮比が高い方が、燃焼行程でピストンを押し下げる力が大きくなるため、出力を得る効率が良くなり、最大トルクも高くなります。ガソリンエンジンの圧縮比は、標準でだいたい10〜11ぐらい。それに対してディーゼルエンジン15〜25にもなります。ガソリンエンジンの場合、ガソリンと空気を混ぜた混合気をシリンダー内で圧縮(近年はガソリンのみを燃焼室に直接噴射する直噴式も増加)、プラグを使って点火するのに対し、ディーゼルエンジンは、シリンダー内で圧縮し温度が急激に上昇した空気に、燃料を吹き込んで自然着火させます。これにより、より空気を圧縮することができ、少ない燃料でエンジンを回すことができるため、ディーゼルエンジンは燃費が良くなるのです。 近年、日本国内でもクリーンディーゼル車に注目が集まり、ディーゼルエンジン車のシェアは大きくなりつつあります。ディーゼルエンジンを選択することも、環境への優しい選択の1つであり、EVやハイブリッド車と共に、ディーゼル車も未来へつなぐ車両の一つです。065オクタン価だけではありません。意識して「燃料」を選びましょうノッキングとは?オクタン価とは?■ ノッキングエンジン内部で意図せずガソリンが急激に燃焼する現象。異常燃焼とも呼ばれ、エンジン内部でスパーク・プラグが点火しガソリンが正常に爆発する前に、未燃焼ガスの一部が自然に着火して急激な燃焼が起こる。その際の衝撃波が燃焼室で反射してキンキン、カリカリと異音を発生。ピストンも想定外の動きをするため、エンジンにも大きな負担がかかる。
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