Volkswagen Service® Library Ver.24
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 自分の愛車に、自身の手で“触れる”のは、とても楽しいことです。たとえば、何10年も前のクルマを、いまだに大事に乗り続けているマニアの方々にとっては、おそらく走るよりも、自分自身の手でメンテナンスすることのほうが楽しいに違いありません。新しくフォルクスワーゲンをお買いいただいた皆さんも、愛車にご自身の手で“触れて”いただくことをぜひお奨めします。もちろん、難しいメカニズムに挑戦する必要はありません。それらは、フォルクスワーゲンが誇る先進の技術により支えられておりますので、その部分はプロフェッショナルが揃う正規ディーラーにおまかせください。 ここでは、ドライブに出かける前に必要な最低限のチェック項目を紹介します。いわゆる「日常点検(運行前点検)」というものですが、これにより、万が一愛車に不具合があった場合でも、早い段階で発見することができるのです。 そして、皆さんに実感していただきたいことがあります。それは、愛車のエンジンルームを覗いたり、タイヤをチェックしたりすることで、いっそう深い愛着を感じられるということです。車は生き物です。たとえばエンジンオイルは、時間や走行距離により劣化しますし、量も減っていきます。バッテリーなどの消耗部品も同じ。その、日々変化していく姿をご自身の目で確認することによって、これまでよりも愛車との距離が縮まったと感じていただければうれしいのです。 実際に愛車に触れる前に、注意してほしいことがあります。まず、ボンネットを開ける時には、必ずエンジンを切って、ギヤをパーキング(マニュアル車の場合はローやリバースなどのギヤ)に入れ、パーキングブレーキをしっかりとかけてください。作業中にクルマが動きだしたりしたら大変です。また、もし走行直後にボンネットを開けるときには、内部は高温になっていますので、くれぐれもご注意ください。事前に、軍手などを用意しておくことをお奨めします。 また、できるだけ平らな場所に、車を駐めることもお忘れなく。エンジンオイルやウインドーウォッシャー液など、液体をチェックする際に、正しい状態を把握することが必要だからです。また、傾斜のある地面ですとタイヤ交換の時にも、作業中にジャッキが外れるなど、思わぬトラブルが発生する危険性があります。 蛇足ですが、もしも走行中のトラブルなどで、エンジンをかけたままボンネットを開ける時には、長髪はまとめ、ネクタイやマフラー、スカーフなどを外すことを忘れないでください。ボンネット内には、高速で回転している部分もあります。また、ラジエーターファンモーターが突然回りだすこともあります。万が一、ネクタイなどが巻き込まれてしまいますと、大事故につながることが考えられるのです。 それでは、準備が整いましたら、さっそく愛車のボンネットを開けてみましょう。きっと新しいなにかと、これまで以上に充実したフォルクスワーゲン・ライフが見つかるはずです。051[第3章]フォルクスワーゲンと長く付き合うために⑥クルマの構造がわからなくてもできることがあります。運転前のチェックは、快適ドライブの第一歩です。自分でできる愛車チェックとメンテナンス

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