[第5章]安全で快適なカーライフのために⑤R44(旧)チャイルドシートには適切な切り替え時期が決められているので、正しく設置をして大切な命を守りましょう。R44(従来の基準)生後12ヶ月頃(体重9㎏)まで体重を基準とする前後シートベルト固定ISOFIX固定R129(最新の基準)体重基準身長基準乳児:13kgまで乳児:75cmかつ15か月未満幼児:9~18kg幼児:76~105cm学童:15~36kg学童:100~130cm生後15ヶ月未満まで身長且つ月齢を基準とする前後+側面ダミー人形計測によるデータ分析ISOFIX固定のみR129(新)POINT1後ろ向き装着期間POINT2後ろ向き装着の体型基準POINT3衝突実験POINT4シート固定方法 皆さんは、チャイルドシートに関して、ECE-R44やR129、i-Size(アイサイズ)といった規格の表記を目にしたことはありますか? これらは、国連欧州経済委員会が定める規格で、日本では現在、ECE-R44(以降R44)または、ECE-R129(以降R129)のいずれかの安全基準を満たしたチャイルドシートだけが、新規販売を許可されています。 R129とは、今までの安全基準R44よりさらに安全を強化した規格で、自動車先進地域であるヨーロッパの国際経済委員会が制定しました。そのR129の適合証がi-Size(アイサイズ)です。 これまで主に国内で市販されているチャイルドシートは、ヨーロッパの安全基準R44に適合した商品が多く出回っていますが、これから主流になるR129は、近年の安全テストや事故調査の結果をもとにして新しい規格を盛り込んでお子様を守る、より安全な基準です。 旧安全基準R44と新安全基準R129の変更点について、主に4つのポイントがあります。1.後ろ向き装着期間 R44では、後ろ向きシートの装着が生後12ヶ月頃(体重9kg)までだったのに対し、R129では生後15ヶ月未満までの取付が義務になりました。さらに月齢が15ヶ月を過ぎても身長が76㎝未満の場合は、前向きでの使用はできません。安全先進国のヨーロッパでは、後ろ向きに座らせることで、交通事故発生時の体への損傷が、7割以上も軽減できるという安全性が実証されており、できる限り長い期間後ろ向きに座ることを推奨しています。2.後ろ向き装着の体型基準 R129では、装着基準が「身長基準」に変更されました。体重を基準とする従来の基準の場合、体の大きな赤ちゃんは、未熟なうちからチャイルドシートを前向きに取り付けられてしまうケースがありました。身体が未熟な赤ちゃんのうちは、後ろ向きに座らせることで、万が一の事故の際に面積の大きい背中で衝撃を受けて力を分散させることができます。身長基準に変更され、月齢義務も追加されることで、赤ちゃんが大きく成長するまでより安全な後ろ向きで座らせることができます。100R44からR129への主な変更点チャイルドシートの新しい安全基準R44からR129へ
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